第65回カンヌ映画祭

いよいよ明日5月16日から27日まで第65回カンヌ映画祭が開幕する。

歴史の長いカンヌ映画祭では毎年今年の映画はこれじゃい!と目されるような作品が集い賞を争う。また、まだ見ぬ新しい才能が発掘されたり、映画祭をきっかけに大躍進する役者・監督たちが集う。
特別上映では今尚一戦で活躍する巨匠の映画をお披露目上映し褒め讃えられたり、ときには猛烈に罵倒される。

そんな映画の祭典(戦争)がたまらなく好きだ。
俺は1997年第50回からチェックし続けている。高校1年だったか。今村昌平監督の『うなぎ』とアッバス・キアロスタミ桜桃の味』の二作がパルム・ドールを受賞した年。河瀬直美萌の朱雀』のカメラドール(新人賞)も話題になった。
『うなぎ』は俺に日本映画の魅力を教えてくれた大傑作。イラン映画桜桃の味』にも衝撃を受けた。欧米の映画しか観ていなかった自分に映画の世界を広げてくれた。

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さて今年のコンペティション(賞レースにノミネートされた)作品を眺めると、まさに現代映画界の最高峰の監督が並んでいる。

中でも注目は、
ケン・ローチ監督作『THE ANGELS' SHARE』。ケン・ローチは『麦の穂をゆらす風』で既にパルム・ドール(最高賞)を受賞しているが、この作品も賞に絡んできそうな予感。第55回カンヌ国際映画祭では『SWEET SIXTEEN』で脚本賞も受賞。ケン・ローチ作品で俺が一番好きな映画。

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オープニングを飾るウェス・アンダーソン監督作『MOONRISE KINGDOM』。予告見る限り、いつものウェス節炸裂。ただ作風からしてこの映画のパルム・ドールはないだろうが、華のあるオープニングになりそう。ポスターが素晴らしい。

ジャック・オーディアール監督作『DE ROUILLE ET D'OS(RUST AND BONE)鎖と骨』。オーディアールの名を世に知らしめた傑作『リード・マイ・リップス』(2001)と『真夜中のピアニスト』(2005)は大好きな映画。
前作(この映画は未見。邦題が悪い)『預言者』(2009)ではカンヌ映画祭グランプリ(パルム・ドールに次ぐ賞)を受賞しておりいよいよか。オーディアールといえばノワールという印象だが、本作は予告を見ると今までとは少し違う雰囲気。しかしいつにも増して凄そうです。

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他にも前に取り上げたクローネンバーグ監督作『COSMOPOLIS』やアッバス・キアロスタミLIKE SOMEONE IN LOVE』(日本が舞台で加瀬亮も出演)など注目し出したりキリない。

しかし、ここに日本映画がないのが寂しい限り。コンペ以外には若松監督と三池監督は招待されているが。
新作が待機しているカンヌ常連も漏れている。ウォン・カーウァイやQタランティーノがいなのは残念すぎ。ウォン・カーウァイはきっとまだ撮影中か編集中なんだろう。

審査員はナンニ・モレッティ(審査員長)イタリア映画監督。『息子の部屋』でパルム・ドール受賞。
他にアレクサンダー・ペイン監督『ファミリー・ツリー』、前述『リードマイ〜』の主演女優エマニュエル・ドゥヴォス、意外なジャン=ポール・ゴルチエ、そしてユアン・マクレガー!など8名。

うーむ、読めない。てか映画観てない俺が読んでどうなる。どうなる今年のパルム・ドール