地元兵庫の映画館事情・神戸アートヴィレッジセンターの存在

俺の印象だが地元兵庫県にはミニシアターの存在感が薄い。所在するのも知る限り神戸市のみ。

挙げると
三宮にあるシネ・リーブル神戸http://www.ttcg.jp/cinelibre_kobe/
現在上映中の注目作は『ルート・アイリッシュケン・ローチ監督最新作。

以前も取り上げた元町にある元町映画館http://www.motoei.com/
現在上映中は『ブエノスアイレス』等リバイバルや企画モノが多く興味深い。
待機中なのが俺様ヴィンセント・ギャロ主演、F・F・コッポラ監督作『テトロ 過去を殺した男』などバラエティーに富んでいて盛り上がってほしい映画館。

一昔まではシネカノン神戸もあったが今はご存知のとおりシネカノン自体が倒産した。

最後に、新開地にある神戸アートヴィレッジセンターhttp://kavccinema.jp/
ここは元々神戸市が開設した、映画館だけではなく演劇・アート・スタジオなど芸術家育成などを目的とした複合施設である。いまは大阪ガスビジネスクリエイトが管理しているらしい。

この映画館の素晴らしいところは、とにかく作品選びが良い。東京で探しても見つからないくらい素晴らしいラインナップを揃え、尚且つ魅力的な映画イベントも充実かつ上質である。
現在上映中なのは『サウダーヂ富田克也監督作。昨年公開された数少ない日本映画の良作。ようやく関西に上陸し兵庫でも唯一ここで観られる。他にもリバイバルモノやここでしか観られない本物の映画が上映されている。
上映予定にもアキ・カウリスマキ監督最新作『ル・アーヴルの靴みがき』がある。素晴らしすぎるぞアートヴィレッジ!
俺がこの映画館を知ったきっかけも、東京の大学を卒業し地元に帰ってきてカウリスマキ映画が公開されるのでネットで上映館を探したら、アートヴィレッジセンターという聞いたことない映画館が出てきた。それ以来信用の置ける映画館として注目し続けていた。

ただ問題は、この映画館があまりにマイナーなこと。よっぽどの映画好きしかここは知らないし、知りえないだろう。

兵庫の映画との関りは昔をたどれば宝塚映画撮影所(小津監督『小早川家の秋』を撮影)があったり、ロケ地としても姫路城はもちろん地方も近年注目されている。魅力ある産業作りの可能性もあるわけで、映画を観る側もレベルアップや意識の向上が必要なわけだ。
クソったれのハリウッド映画や子供の遊びレベルの日本映画ばかり上映しているシネコン(一概に害とは言わないが)なんぞに負けないくらいのアピールが必要だし、イベントなどの付加価値ももっと拡散していき、せっかくいい映画館があるんだから、多くの人に知ってもらい足を運んでほしい。

良質な映画は、必ず人を豊かにし成長のヒラメキとなる。その為の映画館であってほしい。


非常にアーティスティクな佇まいの神戸アートヴィレッジセンター